HOME > 中小企業の法的問題への処方箋


すべての商取引は、契約書を締結する・しないにかかわらず、「契約問題」をはらんでいます。 通常、契約書は(口約束の契約を含め)、納品や支払いなど取引の基本的なルール等を定めていますが、 取引上疑問が生じたり、重大なトラブルがあったときに「どうしたらよいのか?」と途方に暮れることもままあります。 以下、中小企業でよく見られる「契約問題」をQ&A形式で解説しています。 各Qをクリックすると、その解説ページに移動します。
取引先との契約が突然打ち切られました。どうしたらよいでしょう?
まず、取引先との契約書はありますか?
あるならば、その中に契約解除の条項はありますか?もしあれば、その条項に基づいて判断することになります。
また、契約書がない場合や契約解除の条項がない場合には、「解除の理由が何であるか」が重要です。理由なき一方的な解除であれば、あなたの会社が契約解除により被った損害がある場合、損害賠償を請求できるケースもあります。 反対に、あなたの会社に非があれば、諦めるしかないでしょう。 困ったときはぜひ弁護士に相談しましょう。
メーカーのA社から受注した製品を、期日までに納品しましたが、その代金を一方的に値引きされました。それを我慢して次回の納品日に納品しようとしたら、「在庫調整のため」と言って受取りを拒否されました。どうしたらいいでしょうか?
この問題については、【下請法】の適用が考えられます。
下請法では、発注者の都合により、一方的に契約条件を変更することを禁じています。
ただし、そのような会社を相手に、単に契約の履行を求めても、のらりくらりとかわされてしまうことが多いでしょう。まともな交渉ができない場合には、弁護士に交渉を依頼してみてはどうでしょうか。
ビルの設備工事を受注しました。当社は元請け業者のA社から受注しましたが、A社は夜逃げをしてしまい、工事が途中でストップしています。工事代金を支払ってもらう方法はないでしょうか? (注文主→元請A社→当社)
注文主が、元請であるA社に、まだ支払わなければならない工事代金があるときは、あなたの会社は、注文主に対し、代金を直接自分に支払ってくれと請求できます。
【債権者代位権】という制度です。
そこでこのような場合には、あなたの会社に直接支払ってもらうよう頼んでみて下さい。
とはいえ、A社が代金を受け取った後で夜逃げしたような場合には、この制度は使えません。しかしそのような場合でも、注文主は一日も早い工事の再開を希望しているわけですから、工事の再開と完成を条件に、あなたの会社の要望を聞き入れてくれる場合もあります。要は交渉次第ということです。
取引を始める際に、相手企業の要望で基本契約書を締結しました。ところが、具体的な発注があった際にも、新たに個別契約書の締結を求められました。よく見ると二つの契約書には、内容に矛盾があるようです。基本契約書と個別契約書に矛盾があるとき、どちらが優先されるのでしょうか?
このようなケースを想定して、たとえば基本契約書の中で、両者が矛盾する場合には、個別契約書が優先すると定めることもあります。問題は、そのような記載が一切ない場合の扱いです。
一般的には、新しくできた契約書の方が、現時点の意思を表しているのですから、古い契約書に優先するでしょう。ただし、矛盾の原因が当事者同士が意図したものではなく、単に勘違いや不手際に起因するのでしたら、杓子定規に「日付が後だからこちらが正しい」と主張するのも筋が通りません。その場合には双方が話し合い、合意点を見出すようにするしかないでしょう。