HOME > 中小企業の法的問題への処方箋


中小企業では、経営者の高齢化が進む中、「跡継ぎをどうするか=事業承継をどうするか」の決断を迫られるケースが非常に増えています。 経営者の実子や親族に意欲や能力があり、「事業承継」ができるのならよいのですが、人生選択が多様化し少子化が進む世の中では、それも難しいのが現状です。 また「事業承継」をする際には「相続」の問題もからんでくるため、弁護士のみならず、「相続税」の専門家である税理士の先生にも相談しながら、よりよい選択肢を選ぶ必要があります。 以下、中小企業でよく見られる「事業承継・相続対策」問題をQ&A形式で解説しています。 各Qをクリックすると、その解説ページに移動します。
町工場を経営しています。高齢の上、妻の介護もあるので、2年前に専務にした長男に事業を継がせようと思っています。事業承継するにあたってまず何からはじめればいいのでしょうか?
事業承継についてのご相談は最近とても増えています。
この問題については、以下の2点について考えるようにしましょう。
①いつ事業承継するのか
②事業再編や事業の見直しの必要性
まず①については、会社の事業の節目やご家庭の事情などを勘案して決定するようにします。
その後②について、息子さんと話し合う機会を持ちましょう。
特に、複数事業がある会社の場合は、
・それぞれの事業がきちんと儲かっているのか
・儲かっていない場合はその事業を今後も継続していくのか
など、事業再編についても慎重な検討が必要です。
こうした方針がおおよそ定まったなら、弁護士や税理士とスケジュールを立て、円滑な事業承継を目指しましょう。
30年間会社を経営しましたが、来年引退を考えています。実子は会社を継ぐ意思がないので、①会社を血縁のない役員に継がせるか、②他の会社に事業譲渡するか悩んでいます。
事業承継と事業譲渡の最も大きな違いは、「現在の会社が残るか、残らないか」ということです。
これを軸に、この問題を考えてみましょう。
まず、「事業承継」の場合は、「会社は残ります」。
「会社を残したい」場合は、①の方法、すなわち「あとを継ぐ役員に株式を買い取ってもらう」ことになりますが、その際に注意すべきは「誰が会社の株主」かということです。
会社の株主はあなただけでしょうか?
それとも第三者も株式を持っていますか?
第三者も株式を持っているのでしたら、その分も役員に購入してもらうのか、第三者は引き続き株主として残るのかを検討しなければなりません。
一方、「事業譲渡」では、「会社という入れ物は残りません」。
「会社が残らなくてもよい」場合は、②の方法、すなわち「他の会社に事業譲渡する」方法が選択できます。
あなたが創業社長なら、そのことに寂しさを感じるかもしれませんが、譲渡先があなたの会社よりも安定した経営をしている会社なら、「会社は残らないが事業自体はそのまま存続する」という安心感を、取引先や従業員にもたらすことになるでしょう。
いずれにしろ、弁護士や税理士のアドバイスを受けながら進めるのが望ましい問題です。