HOME > 中小企業の法的問題への処方箋


会社を何十年も発展・継続させることができれば、それに越したことはありませんが、残念ながら何十年も経つ前に、多くの会社がつまづき、事業経営の舞台から撤退するのが現状です。 どの会社にも寿命があります。 そして、いくら歯をくいしばって頑張っても、その頑張りが空回りし、さらに苦しい状況を引き起こす例は非常に多いのです。 会社を倒産させたり、廃業させたりすることは犯罪ではありません。 「どのタイミングで勇気をもってその判断をするか」を適切に判断することは、経営者にとっての重要な責務の一つでもあります。 以下、中小企業でよく見られる「企業倒産・廃業」問題をQ&A形式で解説しています。 各Qをクリックすると、その解説ページに移動します。
数年前から売上が次第に落ち込み、役員給与もほとんど無きに等しく、借入返済のためだけに会社を経営しているようで疲れきってしまいました。もう廃業したいのですが、事業をやめたら、借入金や取引先への支払ができなくなり、倒産するしかありません。 仕方なく自転車操業を続けています。どうしたらよいでしょう?
このように感じている経営者の方は非常に多いと思いますが、立ち行かなくなった事業をやめることは、決して恥ずべきことではありません。
ただし、絶対にしてはならないことがあります。それは「逃げる」ことです。会社を放置して逃げても何も解決しませんし、一生逃げ回らなければなりません。くれぐれも逃げることだけはしないで下さい。
経営が立ち行かなくなった人のためにあるのが「破産」手続きで、これは裁判所の管理のもと会社を整理する制度です。以前よりも利用しやすく、一般に思われているよりも短期間で終わる手続きですが、個人の破産はともかく、会社の破産手続きは複雑なケースが多いので、弁護士に相談することをお勧めします。
取引先が倒産しました。その後、裁判所からそれに関する書類が届きましたがどうしたらよいですか?
取引先は破産をしたのでしょうか?
それとも民事再生をしたのでしょうか?
いずれにしても、それらの申し立てがあれば、債権者には「集会の通知」が届くことになります。
集会では、破産に至るまでの経緯や破産会社の財産状況について説明があります。
今後どのような経過をたどるのかは、集会に参加して説明を受けるようにして下さい。
廃業を考えています。しかし妻の高齢の父親が銀行借入の連帯保証人になるとともに、自宅不動産を担保に入れています。どうしたらいいでしょうか?
「廃業」に際して銀行借入を清算できなければ債務は残りますので、連帯保証人は銀行から銀行借入の残債を請求されることになりますので、注意が必要です。
連帯保証人には、お義父さんだけでなく、経営者であるあなた自身もなっているでしょうから、あなたに返済能力があればよいのですが、そうでなければお義父さんにも請求がいくことになります。
このような場合、基本的には一括返済を求められますが、交渉により分割返済にも応じてくれます。
また、この例では、お義父さんの自宅不動産が担保に入っているので、この自宅が「競売」(裁判所が主導する強制売却手続き)にかけられる可能性もあります。
一方、あなたも連帯保証人も全員破産申し立てをすれば債務からは逃れられますが、その場合は基本的にすべての財産を差し出さなければならないので、お義父さんが自宅不動産を失うことは確実となります。
そうした可能性をふまえてどのように対応するのかを、廃業前に親族で話し合う必要があります。 この例のように、会社が廃業したり破産したりするときは、会社だけではなく連帯保証人や担保の提供者にも累が及びますので注意が必要です。 まずは、一日も早く弁護士に相談しましょう。